ローン中の車は、売却可能な場合と不可能な場合があります。売却可能なケースは、車の所有権が自分にある場合や、ローン契約で完済前の売却が許可されている場合です。
しかし、売却可能な場合でも「どのように売却すればよいかわからない」「できるだけ高く売りたい」と考える方も多いでしょう。
そこで、本記事ではローン中の車を売る2つの方法、少しでも高く売るためのコツ、売却を迷ったときの判断基準を紹介します。
ローン中の車を売却する際の「所有権」に関する注意点

画像出典:電子車検証について
ローン中の車を売却したい場合、まず所有権を確認しましょう。所有権とは、車を所有する人を指し、会社が所有者の場合もあります。
以前は所有権が車検証に記載されていましたが、2023年1月4日から車検証が電子化され、現在は「ICタグ」に記録されています。
本章では、所有権の状況に応じたローン中の車の売却方法を解説します。
- ローン中の車の所有権が自分または家族の場合
- ローン中の車の所有権がローン会社やディーラーの場合
1.ローン中の車の所有権が自分または家族の場合
所有権が自分にある場合、ローン中でも売却可能です。家族が所有者の場合も同様に売却可能ですが、委任状が必要です。
所有権が自分にあるケースは、主に銀行系のローンを利用している場合です。ローンによっては、完済まで売却を禁止している場合もあるので契約内容を確認しましょう。
所有権が自分にあるローン中の車を売る方法については、「ローン契約を確認してローン完済前に売却する」を参考にしてください。
2.ローン中の車の所有権がローン会社やディーラーの場合
所有権が自分以外の場合、車は売却できません。理由は、所有権が自分にないためです。
所有者がローン会社やディーラーである場合が多いです。
所有権が自分以外の場合、原則としてローンを完済し、所有権解除を行った後に売却が可能です。
次章では、所有権が自分以外の場合の「所有権解除」の手続きについて詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
所有権が自分以外のローン中の車を売る際の「所有権解除」

所有権が自分以外の場合、車は売却できません。売却するには、「所有権解除」が必要です。
本章では、所有権解除について以下の内容を解説します。
- 「所有権解除」とは
- ローン中の車の所有権を解除する方法
- 所有権解除に必要な書類
「所有権解除」とは
「所有権解除」とは、車検証上の所有者を自分にする手続きです。ローンで購入した車は、所有者欄が「ローン会社」や「ディーラー」となっていることが多く、所有権が留保されています。
所有権とは、所有者が法令の制限内で自由に所有物を使用、収益、処分する権利です。車以外にも不動産で使われる用語です。
所有権は、車検証のICタグに記録されている「所有者の氏名・住所」で確認できます。
多くの場合、所有権解除はローン完済後に行います。完済後は速やかに手続きを行いましょう。
ローン中の車の所有権を解除する方法
所有権を解除するには、通常ローンを完済する必要があります。完済後は以下の手順で解除できます。
<自分で手続きする場合>
- 必要書類を準備する
- 運輸支局・自動車検査登録事務所で手続きする
<手続きを代行してもらう場合>
- 必要書類を準備する
- 自動車販売店や行政書士に依頼する
自分で手続きする場合、所要時間は70~90分です。運輸支局・自動車検査登録事務所は平日のみ開庁しているため、平日に時間を作る必要があります。
所有権解除に必要な書類
所有権を解除するために必要な書類は以下の通りです。
- 自動車検査証
- 自賠責保険証明書
- 自動車リサイクル券
- 振込口座情報
- 自動車納税証明書
- 印鑑登録証明書
- 実印
- 譲渡証明書
- 委任状
書類は基本的に自分で揃え、手続きを行いますが、買取店によってはローン返済と名義変更を代行してくれるところもあります。
売却を考えている場合は、ローン会社や買取店に事前に相談しましょう。
ローン中の車を売る方法

本章では、ローン中の車を売る2つの方法を解説します。
以下は、解説する売却方法の概要です。
売却方法 | 売却の流れ | 注意点 |
---|---|---|
ローンを完済して所有権解除を行ってから売却 | ・ローンを返済する ・所有権解除を行う ・買取手を選択する ・車を査定してもらう ・必要書類を揃えて手続きする ・車を引き渡す ・入金を確認する | 売却価格がローン残債より高いか低いかで対応が変わる |
ローン契約を確認してローン完済前に売却 | ・買取手を選択する ・車を査定してもらう ・必要書類を揃えて手続きする ・車を引き渡す ・入金を確認する ・ローンを返済する | 契約書に「完済前売却の禁止」があると売却不可 |
1.ローンを完済して所有権解除を行ってから売却する
所有権が自分以外の場合、所有権解除を行わないと売却できません。所有権解除はローン完済が前提です。
ローン完済後の売却手順
- ローンを返済する
- 所有権解除を行う
- 買取手を選択する
- 車を査定してもらう
- 必要書類を揃えて手続きする
- 車を引き渡す
- 入金を確認する
売却価格を使ってローンを完済する方法もあります。買取店によってはローン返済と名義変更を代行してくれる場合もあります。
売却価格がローン残債より高い場合
売却価格がローン残債より高い場合、売却価格でローンを返済できます。
例えば、残債が100万円の車が135万円で売れた場合、100万円でローンを返済し、残りの35万円は自由に使えます。
買取店によってはローン返済と名義変更を代行してくれる場合もあるので、まずは査定とローンの相談をしましょう。
売却価格がローン残債より低い場合
売却価格がローン残債より低い場合、不足分を現金で補填するか、売却後もローンを返済し続ける必要があります。
新車に乗り換える場合、残債を新しい車のローンに上乗せする方法が便利です。売却のみの場合、新たにローンを組む方法もあります。
売却価格がローン残債より低い場合、売却できないこともあります。詳しくは「ローン中の車を売る際の注意点」を参考にしてください。
2.ローン契約を確認してローン完済前に売却する
所有権が自分にあり、ローン契約で完済前の売却が許可されている場合、ローン途中でも売却可能です。
売却方法はローン中でも基本的に同じですが、売却完了時にローンも返済する必要があります。
ローン中の車を売却する際の流れ
- 買取手を選択する
- 車を査定してもらう
- 必要書類を揃えて手続きする
- 車を引き渡す
- 入金を確認する
- ローンを返済する
ローン中の車を売却する場合、繰り上げ返済が必要です。事前連絡が必要な場合もあるので、契約内容を確認し、ローン会社に相談しましょう。
ローン中の車を少しでも高く売るコツ

ローン中の車は、完済前でも売却可能な場合があります。本章では、少しでも高く売るための7つのポイントを解説します。
- 買取価格の相場を調べる
- 日頃から洗車や清掃をして車を綺麗に保つ
- 複数の業者に査定を依頼する
- 車検は通さなくてもよい
- 早めに売却を判断する
- 純正パーツを用意する
- 軽微な傷の補修を自分でやらない
1.買取価格の相場を調べる
車の買取価格は市場相場に影響されます。インターネットや専門サイトで同じ車種の相場を調べましょう。
相場を調べることは、査定額が適切か判断する材料になります。
車の状態によっては相場と査定額に差が出ることもあるので、相場は参考程度にしましょう。
2.日頃から洗車や清掃をして車を綺麗に保つ
洗車や清掃は直接買取価格に影響しませんが、不要なマイナス査定を避けられます。
汚れが傷や凹みに見えて査定額が下がることがあります。
車内の清掃も行い、「臭い」や「シミ・汚れ」のマイナス査定を回避しましょう。
日頃から車を綺麗に保つことは、査定額を上げるために重要です。
3.複数の業者に査定を依頼する
査定を依頼する際は、複数の業者に見積りを出してもらいましょう。競合がいると査定額がアップする可能性が高まります。
忙しい方は、車査定一括サイトの利用がおすすめです。
車査定一括サイトは、複数の買取店の査定額を比較するのに便利なサイトで、さまざまな企業がサービスを提供しています。代表的なサイトは以下の通りです。
- [product-link id=”44469″]カーセンサー[/product-link]
- MOTA車買取
- カーせる
- [product-link id=”45558″]ズバット[/product-link]
- グーネット買取
- ユーカーパック
- 楽天Carオークション
- カービュー
- [product-link id=”45049″]ナビクル[/product-link]
これらのサイトを利用すれば、買取店に何度も足を運ぶ必要がなくなり、高値をつけた業者に車を売却できます。
4.車検は通さなくてもよい
ローン中の車を売却する際、車検は通さなくても問題ありません。ただし、車検が切れると公道を走れなくなるので注意が必要です。
査定時、車検の残期間によって査定額にプラスになることもありますが、車検費用を超える額にはなりません。
そのため、車検の残期間にこだわらず売却を検討しましょう。
5.早めに売却を判断する
車の価値は経年劣化で下がります。高年式の車は高く売れる傾向があるため、売却が必要なら早めに判断しましょう。
価値を決める要素として年式の他に大きいのは、「走行距離」です。走行距離が増えると買取価格は下がります。毎日使用する人は、売却を迷っている間に走行距離が増えるので、早めに判断した方がよいでしょう。
6.純正パーツを用意する
社外品のパーツを装着している場合、純正パーツを用意して査定に臨むのがおすすめです。
純正パーツを用意すれば、社外品と純正品の両方で査定が可能です。
査定では、標準装備のパーツは純正品が有利です。ただし、社外品でも査定額がプラスになるものもあるので、両方用意するとよいでしょう。
ただし、ローン中の車は社外品の取り付けが禁止されている場合があります。契約書を確認し、禁止されている場合は純正品で査定を受けましょう。
7.軽微な傷の補修を自分でやらない
査定には、年式や走行距離のほかに、外装の状態が大きく影響します。高年式でも事故歴があれば査定額が下がる可能性があります。
軽微な傷は、査定前に無理に補修しない方がよいでしょう。補修費用が査定でプラスにならない場合、無駄な出費になります。
補修には数千円~数万円かかりますが、補修した傷は減額されなくなりますが、補修費用を上回るプラスは期待できません。
査定時には軽微な傷はそのままにし、素直に申告するのがおすすめです。
車をローン途中で手放すか迷った時の判断ポイント

車の使用用途は、通勤や通学、趣味やレジャーなどさまざまです。本章では、ローン中に車を手放すか迷った時の判断ポイントを5つ解説します。
- ローンの残債がいくらあるか
- 車を使う頻度が減った
- ライフスタイルに変化があった
- 車の維持費を支払うのが難しくなった
- まとまったお金が必要かどうか
1.ローンの残債がいくらあるか
ローンの残債額によって判断する方法です。まず、残債がどのくらいあるか確認しましょう。
残債は、自宅に届くお知らせやローン会社に問い合わせて調べられます。
残債額が分かったら車を査定し、今の車の金額と残債額を比較して判断します。
売却価格が残債額より高ければ、売却したお金でローンを返済できますが、売却価格が安ければ差額を現金で用意する必要があります。
車を売って残るローンを現金で支払えるかどうかは、手放すか迷ったときの判断材料です。
2.車を使う頻度が減った
使用頻度によって手放すか判断する方法です。購入当初と比べ、使用頻度が減っているなら使い方を見直し、手放すか検討しましょう。
車以外にも以下の選択肢があります。
- 公共交通機関(鉄道や路線バス)
- バイク
- 電動アシスト自転車
- タクシー
使用頻度が減っても必要なら、他の観点から判断することも可能です。例えば、維持費が難しい場合やまとまったお金が必要な場合です。
車の使い方を見直してから、手放すか判断するのをおすすめします。
3.ライフスタイルに変化があった
ライフスタイルの変化やライフイベントに合わせて手放すか判断する方法です。ローン中でも不要になれば早めに売却を検討した方がよい場合もあります。
例えば、結婚して2台ある車を1台にしたい場合や、子どもが巣立って不要になった場合などです。
ローンは、車の代金のほかに金利も返済する必要があります。ライフスタイルが変わった場合は、余計な金利を支払う前に手放す判断をした方がよいでしょう。
4.車の維持費を支払うのが難しくなった
車を維持するにはさまざまな費用がかかります。ローン返済中であれば、ローン返済と維持費の二重で費用を支払う必要があります。
- ガソリン代
- 駐車代
- 税金
- 車検や点検などのメンテナンス代
- 修理代
毎月や毎年かかる維持費と支出や収入を照らし合わせて、手放すかどうか判断します。維持費が家計を圧迫している場合は、手放すか迷ったときの判断材料です。
5.まとまったお金が必要かどうか
まとまったお金が必要かどうかは、手放す判断材料のひとつです。
例えば、新しい車に買い替える資金にしたい場合や、車以外にまとまった費用が必要になった場合などです。
ローン中に車を売却しても、返済義務はなくなりません。売却価格が残債を下回った場合、現金を用意する必要があります。
まとまったお金が必要でも、売却価格が残債を下回ると手に入りません。
少しでも高く売却するために、「ローン中の車を少しでも高く売るコツ」を参考にしてください。
ローン中の車を売る際の注意点

車のローンは、契約内容や返済方法によってトラブルになる可能性があります。トラブルになると、与信情報に傷がつく可能性もあるため、売る際には以下の2つに注意しましょう。
- ローンの契約内容を必ず確認する
- 返済計画を立てておく
1.ローンの契約内容を必ず確認する
ローン中の車は、売却できない場合もあります。主に、ローン契約で完済前の売却が禁止されている場合です。
銀行系のローンは、ディーラーローンとは異なり所有権は自分になりますが、利用するローンによっては完済前の売却が禁止されている場合があります。
所有権について詳しくは「ローン中の車を売却する際の「所有権」に関する注意点」をご覧ください。
参考:マイカーローン|千葉銀行
2.返済計画を立てておく
ローン途中で車を売却する場合、返済計画を必ず立てましょう。売却しても返済義務はなくなりません。
売却価格が残債より低ければ、現金を用意するか、売却後も返済し続ける必要があります。
そのため、売却前に愛車の買取相場価格を確認するようにしましょう。少しでも高く売れるよう、「ローン中の車を少しでも高く売るコツ」を参考にしてください。
ローン中の車を売る際によくある質問
本章では、ローン中の車を売る際によくある質問とその回答をまとめています。疑問や不安のある方は参考にしてください。
- 車のローン中は売却できないのですか?
- ローン中の車を売る方法を知りたい
- ローン中の車を手放す方法はありますか?
- 車のローンを払い終わったら所有権はどうなりますか?
- ローンが残っている車は現金化できますか?
1.車のローン中は売却できないのですか?
車はローン中でも売却できます。ただし、条件によっては売却できない場合もあるため、契約書や車検証を確認しましょう。
売却できないケースは以下の通りです。
- 所有権が自分以外の場合
- 契約書に「完済前売却の禁止」がある場合
所有権が自分以外の場合、所有権を解除することで売却できることもあります。詳しくは、「ローン中の車を売る方法」で解説しています。併せてご確認ください。
2.ローン中の車を売る方法を知りたい
ローン中の車を売る方法は、主に以下の2つです。
- ローンを完済して所有権解除を行ってから売却する
- ローン契約を確認してローン完済前に売却する
完済してから売却する場合、売却価格より残債が高いか安いかで対応が変わります。
詳細は「ローン中の車を売る方法」をご確認ください。
3.ローン中の車を手放す方法はありますか?
ローン中の車を手放すには、残債を完済する必要があります。
完済する方法のひとつが、車を売却することです。売却価格が残債より高い場合、売却しても手元にお金が残ります。
ただし、売却は残債が売却価格より高い場合にのみ有効です。残債が売却価格より多い場合は、返済計画を見直す必要があります。
詳しくは「ローン中の車を売る方法」の「1.ローンを完済して所有権解除を行ってから売却する」でも解説しています。参考にしてください。
4.車のローンを払い終わったら所有権はどうなりますか
所有権が自分以外の場合、ローンを返済しても所有権解除を行わない限り、所有権は自分になりません。
完済後に売却したい場合や譲りたい場合は、所有権解除を忘れずに行いましょう。
所有権解除について詳しくは「「所有権解除」とは」を参考にしてください。また、必要な書類については「所有権解除に必要な書類」で解説しています。
所有権解除の手順はローン中でも変わりません。詳しく知りたい方は「ローン中の車の所有権を解除する方法」を参考にしてください。
5.ローンが残っている車は現金化できますか
ローンが残っている車を売却しても、返済義務はなくならないため、現金化は基本的にできません。
ただし、残債額によっては手元に現金が残る可能性もあります。例えば、残債が100万円の車が135万円で売れた場合、100万円で返済し、35万円が手元に残ります。
一方で、売却価格が残債額より低い場合は現金化できません。
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カーネクスト
運営会社 | 株式会社カーネクスト |
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本社所在地 | 大阪市北区大深町3番1号 グランフロント大阪タワーB 18階 |
設立年月日 | 2008年4月 |
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まとめ

今回は、ローン中の車を売る方法や少しでも高く売るコツ、手放すか迷った時の判断基準を紹介しました。
ローンを組んで車を購入したものの、事情があって売却したい方も少なくありません。車は、ローン中でも売却できます。
売却する際、まずは「所有権」が誰になっているか車検証で確認してください。車検証は電子化され、所有者情報は「ICタグ」に記録されています。
また、完済前に売却が禁止されていないか、契約内容を確認することも重要です。売却する際は、ローン会社や買取店に相談し、慎重に検討することをおすすめします。